三Fストリート(サンエフ ストリート)
三Fストリートができるまで
空間として機能しなくなった三宮センター街の3階デッキ
三宮センター街1丁目の3階部分にはデッキ通路があります。元々通路の利用者は少なく、さらに阪神・淡路大震災で建物が壊れて通路が分断され、店舗同士を繋ぐという役割を失って利用者はさらに減少してしまいました。この場所の活性化を目指して、センター街と神戸芸術工科大学とのプロジェクトが始まりました。
神戸芸工大生が三宮センター街と共に街の未来を創造
プロジェクトに集まった有志の学生たちは議論を重ね、センター街とも何度も意見を交わし、デッキスペースを「通り」としてブランディングすることを提案。未来に繋がる「三Fストリート」という名前や空間コンセプトを打ち出しました。
学生がデザイン、設計、制作、設置まで、自分たちで作り上げた空間
学生たちはコンセプト提案だけでなく空間を生み出す構造物や家具のデザインと設計、さらには制作、現場への設置作業も自分たちの力で成し遂げました。ロゴマークなどのグラフィックのデザインも手掛けました。
多くの人々に愛されて年々エリアを拡大、今ではデッキ全域に
2017年3月に最初の空間「Loop and Loop」を設置した翌日から多くの利用者で賑わう空間となり、好評を受けて年々エリアを拡大。3階デッキスペースは多くの人が通り滞在する、来街者の皆様に愛される空間として見事に再生しました。世代を超えた多くの学生たちの学びの場としても、大きな価値のあるプロジェクトです。
コンセプト
フラワーロード、トアロード、山本通り、京町筋、、、。それぞれの道に風景があり、お店があり、人がいて、物語があります。神戸の人々にとって、「道」は明確なイメージを持って街を形成している重要な要素になっています。
そこで、三宮センター街デッキの活性化のために、この場所を新たな「道」として発信します。この「道」での様々な企画を通して、新しい物語や、人と人との繋がりを創出し、賑わいを生み出すことを目指します。
「三 F」 はセンター街の「3F(三階)」であることをストレートに表し、不思議と耳に残り親しみを感じられる「さんえふ」という読みを当てました。
「三 F」の「三」は三宮の「三」です。「F」に込めた思いは、「Forest For Future」- 森に動物たちが集うように神戸の人々が集い、くつろぎ、賑わう場所になるように。神戸の未来に繋がる出来事がここから生まれるように。
そんな思いを「F」に込めて、「三Fストリート」と名付けました。
各エリアの紹介
三Fストリート・WEST
Loop and Loop(ループ アンド ループ)
Moccss(モックス)
namiki(ナミキ)
Strato(ストラト)
Ritmico(リトミコ)
wood scape(ウッド スケープ)
三Fストリート・EAST
ganTrees(ガンツリーズ)
Forestand(フォレスタンド)
Parallil(パラリル)
Loop and Loop(ループ アンド ループ)
住宅用の2×4材という身近な素材をシンプルなルールで構成したルーバーから成る空間をデザイン・制作しました。直線のフレームの角度をずらすことで生まれる、ねじれた「HP曲面」は、神戸の山や海の風景からインスピレーションを得ています。46種類のフレームの組み合わせで作った木のトンネルは、森の中を歩くような体験を提供します。
Moccss(モックス)
建物の窓の位置に合わせて縁側のようにベンチを配置しました。植栽を囲むランダムな高さのフレームが、隣のベンチとの心地よい距離感とリズムを生み出します。フレームは窓を囲む額縁の役割も果たし、ショーウインドウのように空間を彩ります。
namiki(ナミキ)
細い柱を組み木で三角錐形に組み上げたデザインは樹木のように見え、まるで並木の中を歩いているような安心感と程よい包容感を生み出しています。木々の足元には、森の茂みやキノコのような家具が並び、森の風景を想起させます。街路樹のようなnamikiは、建物の中からも窓越しの心地よい背景になります。
Strato(ストラト)
人の往来が活発なDブリッジに、三Fストリートの軽やかなエントランスとなる空間をデザインしました。頭上に連続する緩やかな曲線を描いたロープは、風や見る角度によって表情が変わり、通るたびに異なる景色を楽しめます。また、ベンチと植栽を設置し、通路を小さな広場として活用することも想定しています。雲が重なる層雲をイメージし、「Strat(層)」から「Strato(ストラト)」と名付けました。
Ritmico(リトミコ)
この空間は、三Fストリートの休憩スペースとしての役割を持ちつつ、通路機能を持たないため、リズミカルに上下する木箱や植栽を配置し、小さな森のようなゆったりとした滞在空間をデザインしました。人は先の空間に進むことはできませんが、意識はその先へと繋がります。リズミカルな木箱の動きから「Ritmico(リトミコ)」と名付けました。
wood scape(ウッド スケープ)
Cブリッジは東西を見渡せる立地にあり、センター街と三Fストリート全体を一望できる「展望デッキ」としての役割を持っています。センター街と三Fストリートの関係を山と街に例え、「wood scape」と名付けました。視界を遮るものが少なく、地上からも目を引く家形の造作物は、三Fストリートの新たなシンボルとして、来街者を迎え入れるゲートとなることを願ってデザインしました。
ganTrees(ガンツリーズ)
三宮センター街で最も幅が広いBブリッジの上に、港湾クレーンを連想させる構造物「ganTrees(ガンツリーズ)」を設置しました。このデザインは、神戸港のガントリークレーン(Gantry)と並び立つ木々(Trees)をモチーフにしています。Bブリッジ上で足を止め、三宮センター街を見下ろすことで、新たな発見が楽しめる空間です。
Forestand(フォレスタンド)
さんデッキの奥、OPA横の行き止まり空間を憩いの場として再生し、木立をイメージした照明とベンチを設置。三宮センター街や三Fストリートを見渡せる展望スペースとなり、街の未来を考える「窓」としても機能します。「Forest」と「stand」を組み合わせた「Forestand(フォレスタンド)」と名付け、三Fストリートと街や未来を繋げる思いを込めました。
Parallil(パラリル)
神戸マルイ、OPA、さんプラザを繋ぐさんデッキの通路には、斜めの線が並ぶルーバーを設置し、歩くたびに景色が変化する楽しさを演出しました。このデザインは、デッキを通る人々が増え、センター街と街を訪れる人々がより強く結びつき、街が活性化するように願って作られました。平行を意味する「parallel」を基に、環境(environment)の「e」を変え、人(「i」)を包むという意味を込めて「parallil(パラリル)」と名付けられました。